kaji

銀行口座払戻請求の手続き

金融機関の預貯金の取り扱い

 相続人は、相続開始時点で金融機関に法定相続分に相当する金額を引きおろせるとするのが判例です(最判昭29.4.8等)。

 しかし、実務では金融機関は厳格な手続きを要求しております。被相続人の死亡により凍結された口座から預貯金を引きおろすのは容易ではないのが現実です。

 厳格な手続を要求するのは銀行や信用金庫、ゆうちょ銀行など金融機関が超過払い戻しした場合に免責されないのが原則であるためです。実際の払戻手続は金融機関、支店、担当者によって異なる箇所もありますが概要を説明します。

遺産分割協議成立以前の払戻請求

1.共同相続人による払戻請求

相続人が金融機関に対して預貯金の払戻を請求する場合、金融機関は原則ととして相続人全員による払戻の手続を要求します。

提出書類

・払戻依頼書(相続人全員の署名及び実印の押印のあるもの)
・相続人全員の印鑑証明
・相続人の戸籍謄本及び被相続人の除籍謄本
・預金通帳、届け印

2.相続人の一部による払戻請求

 判例に従えば、相続人の持分を限度として一部の相続人からの払戻請求が認められることになりそうです。

 しかし、金融機関が超過払いの免責が認められないのを原則とする実務慣例のため、一部による払戻請求には応えないのが現状です。もっとも、葬式費用であるとか入院費用清算であるとか支払いに急を要する支払いに当てるための払戻請求に応じる場合もあります。
 どのような場合に遺産分割協議前の相続人の一部による払戻に応じるかは金融機関にご相談ください。

遺産分割後の相続預金の払戻請求

遺産分割協議に基づく場合

 遺産分割協議が整った場合、金融機関に以下の書類を提示するなどして払戻請求できます。

・遺産分割協議書(相続人全員の実印の押印があるもの)
・相続人全員名義の払戻依頼書(実印の押印があるもの)
・被相続人の除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・預金通帳、被相続人の届出印

 この他に相続人の範囲を確認できる家系図があると金融機関の窓口での説明・手続がスムーズに進みます。

遺言による場合

1.遺言執行者がいる場合

・遺言書またはその写し
・遺言執行者が家庭裁判所で選任された場合はその審判書謄本
・被相続人の戸籍謄本
・遺言執行者の印鑑証明書
・遺言執行者名義の払戻依頼書

2.遺言執行者が不存在の場合

・遺言書またはその写し
・遺言者の除籍謄本
・預金通帳など
・受遺者の印鑑証明書(受遺者がいらっしゃる場合)

金融機関によってはこれら以外の書類を要求する場合もあります。

初回相談料無料 ご相談はこちら