公正証書とは、公証人が法律行為その他私権に関する事実について作成した証書。
みなさんは公証役場をご存知でしょうか。駅前ビルに注意して観察すると、けっこう見かける場所です。
その公証役場に常勤されている公証人によって作成されるのがこの公正証書。
法律行為その他私権に関する事実というのは、いっけんとっつきにくい表現ですが、私達私人が日常行う売買や賃貸、金銭貸借が代表的な私権です。事実とはこの私権を有効に発生させる事実。例えばお金を貸すという行為は、金銭消 費貸借契約という私権に属する法律行為です。この契約が有効に発生させる事実のひとつは金銭の移動という事実です(もちろんこの事実だけでは不十分です が)。
公正証書は、この事実に関する事項を記載することによって法律行為の存在を証拠として残す書類なのです。
この公正証書は、いざというときに本当に役にたつ、あなたの頼もしい味方です。
というのも、公正証書に記載した事実は訴訟の場で証拠を収集し、立証活動をしなくとも証明されるのですから。いったいわないの水掛け論をしないですむ、というわけです。
さらに強制執行条文を公正証書に盛り込めば、養育費や慰謝料の支払いが滞っている元配偶者の財産へ強制執行が可能です。 この公正証書が存在しているだけで、支払いに応じる可能性が高くなります。
では公正証書の作成手順を、順を追ってみてみましょう。この手順は、協議離婚の際に作成する公正証書をモデルにしています。
公正証書に記載したい私権上の法律行為を当事者間の協議で決めます。 例えば、養育費を月3万円、子どもが成人するまで支払う、とか、財産分与として車を引き渡す、といった具体的な内容です。生命保険代金を支払う者を指定するのも記載できます。 そして協議による合意にいたった年月日を記録に残しておきましょう。
公正証書は、公証人が申請人の口述する内容 をまとめて作成する書類です。申請人が作成した文章に署名などの認証を与えるものではありません。
従いまして、申請人が公証役場に手ぶらででむき、文字通り口述しても作成はできなくはないです。
しかし、事前に公正証書記載内容の概略をまとめたメモを持参した上で口述の場に臨むのと手ぶらで公正証書記載内容を口述するのでは公証人に与える印象 も効率も格段に違います。ぜひ概略をまとめたメモを作成しましょう。公正証書作成が格段に楽になります。
いよいよ公証役場での作成に入ります。 最初は電話での連絡でもいいですから、公正証書を作成したいのですが、ときりだせば担当者が公証人のスケジュールに照らして申請人と公証人双方の都合のよい日時を指定します。 公証役場は申請人の都合のよい場所でかまいません。住所に最も近い公証役場で作成しなければならないということはありません。ただし現住所と同一の都道府県にある公証役場である必要があります。埼玉県にお住いの方が、東京都豊島区の池袋にある公証役場で作成することはできません。
出頭する際に持参物を指定されます。本人であることを証明する印鑑証明かあるいはこれに準ずる公的文書(例えば運転免許など)や印鑑、家族関係を証明する戸籍などです。 作成時には公証人の先生から2、3質問があることが普通です。素直に回答しましたら、担当の公証人が公正証書を作成します。
そのうえで、作成された公正証書の読み聞かせがあります。この読み聞かせの際に疑問を持ったらただちにその疑問や気持ちを申し出てくだ さい。この申し出のチャンスを逃して、公正証書を作成したあとに、あの時はちがう気持ちだったといっても修正はなかなかむずかしいです。
双方が構成内容の記載事項に同意したら両名が公正証書の正本および謄本に署名押印します。正本は公証役場が保管し、当事者(離婚する夫と妻)には謄本がその場で渡されます。以上で作成は終了です。
手数料は公証役場のサイトに掲載されています。そして、この手数料のほかに数百円の印刷代などが加算された金額をその場で支払います。 以上で作成は終了です。場合によっては再度出頭を要請されることもあります。
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