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家庭内別居で離婚したい!離婚は認められる?

まず離婚の申し出に対して相手方配偶者が同意すれば、その離婚理由がなんであれ離婚は成立します。

問題は相手方配偶者が離婚に同意しない場合です。

この場合、

離婚調停

審判離婚か裁判離婚

という流れになります。

もっとも審判離婚はまず利用されない制度です。私の経験でも審判離婚になったケースは1件だけです。

ですので、審判離婚は考慮しなくてもよいでしょう。

では裁判離婚において、家庭内別居を理由とした離婚判決がくだるでしょうか?

1.悪意の遺棄

裁判離婚では法定離婚事由に該当する事実があれば離婚判決がくだります。

家庭内別居は、この法定離婚事由のうち、

「悪意の遺棄」

にあたるかが主として争われます。

1.1.悪意の遺棄とは?

遺棄とは、夫婦の共同生活を行わないことをいいます。

また、悪意とは社会的倫理的非難に値する要素を含むものであって、夫婦共同生活を廃絶しようと積極的に企図し、もしくはこれを認容する意思をいいます。

つまり、夫婦の一方が自ら相手方や子どもを棄てて家出したり、相手方を虐待その他の手段で追い出したり、あるいは相手方が家出をせざるを得ないように仕向けて復帰を拒んだりするなどして、夫婦共同体としての同居・協力・扶助義務を履行しない場合は、夫婦共同生活を破綻させたものとして、その配偶者は悪意の遺棄を行ったことになります。

1.2.悪意の遺棄の典型例

夫が家を飛び出して半身不随の妻を自宅に置き去りにし、長期間まったく生活費を送金しなかった事例(浦和地方裁判所判決昭和60.11.29)。

夫が、出発の予定も行く先も告げず、以後の生活方針についてもなんら相談することもなく妻と幼い子どもを置き去りにして独断で上京に踏み切った事案(浦和地方裁判所判決昭和60.11.29)。

2.家庭内別居が悪意の遺棄にあたるか?

夫婦が外形上同居していても、配偶者らしい扱い(性交拒否、精神的遺棄など)をしていなければ、遺棄になるとの見解もあります。

また、生活費の仕送りをしないなど生活扶助義務(民法752条)や婚姻費用分担義務(民法760条)に違反する場合でも特別の事情がない場合悪意の遺棄にあたるとする見解もあります。

この見解によれば、外形上は同居していても、もしくは正当な事情があって別居している場合であっても特別の事情がない限り悪意の遺棄にあたるという結論になります。

3.裁判での争い方

実際には悪意の遺棄が問題になる事案では、夫が愛人と同棲するなどというケースが多く、不貞行為(民法770条)または婚姻を継続し難い重大な事由(同条5号)などの離婚原因もあわせて主張されう場合が多いです。

よって、家庭内別居の場合でも悪意の遺棄にあたらずとも同乗5号に基づき離婚判決がくだる可能性があります。典型的な場合であれば、生活の不一致です。