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夫が愛人を作って別居で離婚請求!離婚が認められる?

夫が愛人を作って同棲していて離婚を請求してきた場合、離婚に応じなければならないのでしょうか?

夫婦の離婚はについては、ご自身や子どもの経済状況等諸般の事情によるので一概にはいえないですが、このまま別居状態が続けば裁判による離婚が認められる可能性が高くなります。

1.判例の動向ー離婚の有責主義から破綻主義へ

最高裁判所は離婚の原因を作った者(有責配偶者といいます)からの離婚請求にたいして、「勝手に愛人をもった夫から離婚請求が許されるならば、妻は踏んだり蹴ったりである」(最高裁判所判決昭和27.2.19)とし判示し、その後35年間、有責配偶者からの離婚請求を否定してきました。

しかし昭和62年、最高裁判所は、

夫婦関係が破綻し、妻以外の女性と同棲関係にある有責配偶者(夫)からの離婚請求に対し、

・夫婦の別居が両党自社の年齢及び同居期間の対比において相当期間に及んでいること

・その間に未成熟の子どもが存在しないこと

・相手方配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的にきわめて過酷な状況におかれる等

離婚請求を認容することが著しく正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと

といった一定の条件の下で有責配偶者からの離婚請求も認められる場合があるとして、判例の変更を行いました。

2.相当期間の別居について

判例は、有責配偶者の離婚請求を容認する場合、夫婦の年齢、同居期間に対比して別居期間が長期に及んでいることを重要な条件とsています。

この点、どの程度であれば別居期間が長期に及んでいると判断されたがですが、判例は長期の別居期間から短期の別居へと変遷しており、平成2年にはあ、別居期間8年の事案いついても有責配偶者の離婚請求を認容しています。

他方、これに対し、別居期間8年余という事案では夫婦の年齢、同居期間との対比において別居期間が相当長期に及んでいるとはいえないとして有責配偶者からの離婚請求を棄却しています。

この結論がことなる両者の事案を比較しますと、離婚請求が容認された事案では、

・有責配偶者である夫が別居後も妻子の生活費を負担したこと

・別居後まもなく不貞の相手方との関係をかいしょうしたこと

・離婚請求に際して妻に対して具体的で相応の誠意があると認められる財産分与の提案をしたこと

などが配慮され、離婚請求を申し立てた夫に有利に考えられたものと思われます。

3.未成熟の子の不存在について

両親の離婚により未成熟子の家庭的、教育的、精神的、経済的状況が根本的に悪くなり、その結果意味成熟子の福祉が害されることになるような特段の事情があるときは未成熟子のために、有責配偶者からの離婚請求は認められないと考えられています。

もっとも有責配偶者からの離婚請求の場合、未成熟子が存在すれば必ず離婚が認められないかというとそうではありません。

最高裁は平成6年の判決で、未成熟子(高校2年生17歳)が存在していても、有責配偶者からの離婚請求を認めています(最高裁判所判決平成6.2.8)。

こおれは未成熟子が幼少(3歳)より妻のもとで養育され、まもなく高校を卒業する年齢に達していること、夫は別居後に妻に毎月15万円程度を生活費用として送金していたこと、また、夫から妻に対し離婚に伴う経済的給付が来たいできること(夫は妻に対して財産分与として700万円の提供を申し出ている)などから、未成熟子が存在していても離婚請求の妨げならないとしたようです。

他方離婚請求を認容しなかった判例でも有責配偶者からの離婚請求で未成熟子がいる場合でも、ただその一事をもって請求を排斥すべきではない旨明記しています。

このことからも有責配偶者からの離婚請求はあくまで個別の事情に基づき判断されるものであって、相手方配偶者や夫婦間の子(内縁の相手方やその子も含まれます)の利益なども総合考慮されるべきものと思われます。