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DNA型鑑定は「血縁なし」父子関係認めずと最高裁判所が判断!これってどうゆうこと?

最高裁判所小法廷は昨日、父子関係についてDNA型鑑定で血統上父子関係が否定

された結果があったとしてもただちに父子関係が否定されるものではないとの初めての

判断を示しました。

父子関係はどのように規定されているの?

まず母については分娩の事実をもって母であることが認められます。

他方、父については、分娩しないことから、夫婦間に生まれた子ども、及び

離婚後300日以内に出生した子どもについては母の配偶者である夫が父親である

と推定し、父子関係が認められます(嫡出推定)。

夫婦関係が破綻しているなどの理由で妻が夫以外の男性と交際し、その男性との

間にできた子どもも夫の子どもになるの?

はい。嫡出推定がはたらきますので、血統上では父子関係がなくとも戸籍や親権など

法的には夫の子どもとして扱われます。

ただし、夫が海外に赴任していたり刑務所にはいっていたりなどの事情があり

夫婦間で性交渉がなしえないなどという特段の事由がある場合にはこの嫡出推定

による推定効が破られる例外もあります。

この嫡出推定を破るためには、嫡出避妊の訴えや親子関係不存在の訴えを

裁判所に提起する必要があります。

近畿地方で起こされた裁判では、下級審が、「DNA型の鑑定結果は親子関係

を覆す究極の事実」と指摘した上で、この例外にあたるとして父子関係を否定

する判決をだしています。

今回最高裁判所に上告した北海道と近畿地方、四国の夫婦は、裁判内容が異なるのですが、

今回の最高裁判所小法廷で争われた主要な争点は、DNA型鑑定がこの例外に

あたるかという点でした。最高裁小法廷は、DNA型鑑定で夫との間の父子関係が

否定されても、ただちにこの例外にあたるわけではないと判断した点で注目されます。

最高裁判所はなぜDNA型鑑定で父子関係が否定されてもなお夫のこどもとする

嫡出子推定を維持したの?

判決文要旨を読みますと、子どもの法的安定性を重視した結果のようです。

ただし、最高裁判所小法廷を構成する5人の裁判官のうち、3人の裁判官が

推定効をやぶる例外にあたらないと意見を述べた一方で2人の裁判官が

反対意見を述べています。

このように、裁判官全員一致で請求棄却の判断を示したわけではなく、最高裁判所

も意見がわれ、僅差で方l的安定性を重視する判断を下した点も注目に値する

ものと考えます。

なお、父子関係を維持すると判断した裁判官も、法律規定がかように規定されている

ことから父子関係を維持すると判断したのであって、DNA型鑑定により夫との間で

血統上の父子関係が否定された場合には父子関係を否定するべきかどうかは

国民の議論と立法府すなわち国会による法改正などの法基盤を待つべきと述べています。

この点も注目する点だと考えます。

どうしても交際男性の子どもにしたいけど、裁判で争ってもDNA型鑑定があっても

絶対に認められないの?

そんなことはありません。最高裁判所小法廷も子どもの法的安定性を重視した

上で、DNA型鑑定があったとしても絶対に父子関係を維持するとは判断していません。

夫である男性の法益を重視しているわけではなく、あくまで子どもの法的安定性を

重視した結果ですので、下級審で父子関係を否定する判決が下る可能性はあります。

裁判という司法判断で父子関係が否定されてもどうしても交際男性のこどもとして

子どもを育てたい場合にはどういう手があるの?

養子縁組という方法があります。

ただし、夫婦が離婚していない場合、未成年の子どもの親権は夫婦共有ですので、

養子縁組する際には夫の同意が必要です。もっとも子どもが15歳以上であれば、

親権者の同意がなくとも養子縁組は可能です。