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泣き寝入りしない!刑事罰を求めたい!告訴状の書き方!

1.告訴状と告発状のちがい

両者は、ともに警察や検察が犯罪を認識し捜査を開始するきっかけとなる文書です。

すなわち捜査の端緒となるわけです。

両者は、犯罪の被害者が提出するか、それとも犯罪被害者以外の者、例えば目撃者

や株主さんなどが提出するかで異なります。犯罪被害者などが提出するのが告訴状。

犯罪被害者以外の者が提出するのが告発状。

2.告訴権者

告訴できる者は以下のとおりです。

告訴することができる者(告訴権者)は、以下の通りです。

・ 被害者(刑訴法230条)
・ 被害者の法定代理人(刑訴法231条1項)
・ 被害者が死亡したときは、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹(刑訴法231条2項)
・ 被害者の法定代理人が被疑者、被疑者の配偶者、被疑者の四親等内の血族若しくは三親等内の姻族であるときは、被害者の親族(刑訴法232条)
・ 死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫(刑訴法233条1項)。名誉を毀損した罪について被害者が告訴をしないで死亡したときも同様(同条2項)
・ 告訴権者がない場合には、利害関係人の申立てにより検察官が指定する者(刑訴法234条)

3.告発権者

犯罪を探知したものであれば、だれでも告発できます。以下、告発権者に関する条文です。

誰でも、犯罪があると思うときは、告発をすることができる(刑訴法239条1項)。

公務員は職務上、犯罪を認知したときは告発義務を負う(同条2項)。

3.告訴状、告発状を提出した場合の効果

告訴・告発を受けた捜査機関は、これを拒むことができず、

捜査を尽くす義務を負うものと解されています

(警察官職務執行法や刑事訴訟法242条、犯罪捜査規範63条、刑事訴訟法189条2項等)。

告訴・告発の法的効果として以下のものがあります。

・司法警察員は事件の書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない義務(刑訴法242条)
・起訴又は不起訴の場合の検察官の通知義務(刑訴法261条)
・請求があった場合の不起訴理由の告知(刑訴法261条)

4.告訴状、告発状の書き方

告発状、告訴状ともに様式は自由です。結婚届や離婚届などような様式が指定されているわけでありません。

ですので、告訴権者や告発権者さんが、レポート用紙や便箋に告訴状、告発状をしたためても大丈夫であります。

ただ、告訴状、告発状は、既述のとおり、捜査機関の捜査の端緒となるものです。

捜査を開始するに足る事実などを記載することが肝要です。

私は以下の項目だてで告訴状、告発状を作成します。

宛名 文書左上部に宛名となる警察署や検察を記載します。例えば練馬警察署御中というようにです。

儀礼的なものですが、告訴、告発状は警察署や検察に提出し受理を願うものですから、御中をつけています。

文書上部中央に、「告発状」、「告訴状」と記入します。

以下、告訴上をベースに文書の内容に入ってゆきます。

告発の場合であれば、文書中にある告訴という単語を告発に置き換えてください。

1.告訴人

告訴、告発する者の氏名と住所を記載します。念のため、連絡電話番号を記載しましょう。

相手方に知られたくない場合には、告訴状、告発状を提出する際に担当捜査官にその旨を伝えれば大丈夫です。

2.被告訴人

告訴人と同様、被告訴人の氏名と住所を記載します。

被疑者(犯人)の氏名や住所が不明の場合には不詳としても形式は満たします。

ただ、捜査する上で、被疑者が不明というのは捜査しづらいので、判明できる範囲内で記載し、後は捜査官と

相談しましょう。

3.告訴の趣旨

この項目では、被告訴人が犯した犯罪事実を端的に記載します。

訴追の意思が強いことをここで明記します。

警察や検察は、告訴状、告発状を受理する際、この訴追意思を重要視します。

文章のサンプルを以下に記載します。

被告訴人の行為は、会社法特別背任罪及び刑法の業務上横領罪
に該当すると考えられるので厳重に処罰されたく、ここに告訴する。

適用条文

業務上横領罪 刑法 二百五十三条
取締役等の特別背任罪 会社法 第九百六十条

4.告訴事実

ここでは犯罪の行為(これを刑法上、実行行為といいます)を端的に記載します。

文章のサンプルを以下に記載します。

被告訴人は平成〇年〇月〇日から株式会社〇〇〇の代表取締役に就任し

今日に至るまで同地位に就任しているものであるが、

被告訴人はこの地位にいることを奇貨とし、当該株式会社の資本金〇〇万円を

少なくとも平成〇〇年〇月〇〇日までの間に自己の利益を図って私的に流用した。

5.告訴の事情

ここでは犯罪の事実を詳細に記載します。

読み手である捜査官にわかりやすく、かつ、捜査を開始するにあたって必要な事実に洩れがないようにします。

私は、

・いつ

・どこで

・だれが

・なにをして

・どのような結果(法益侵害)が発生したか

を記載しています。

わかりやすく、という点のこつとしては、

・登場人物を必要十分に絞り、かつ、どのような立場の人間だったかを明記する。

例えば、会社の部長である甲、などです。

・時系列で説明する

日付や時刻の明記は重要です。

・なるべく客観的事実を記載する。

告訴状や告発状で訴追を求める犯罪の性質によっては、客観的事実の記載も難しい場合もありますが、なるべく

記載するようにしたいものです。

6.証拠

証拠のリストを明記するのも告訴告発においては重要です。

被害届などもこのリストに加えるとよいでしょう。

以下、サンプルを挙げます。

別紙参照

履歴事項全部証明書 1通
印鑑証明書 1通
株主名簿記載事項証明書 1通
第三者割当増資手続き完了のご挨拶 1通
自平成〇年〇月〇日至平成〇年〇月〇日事業年度分の決算報告書
(表1枚目のみ)1通

以上で、告訴状、告発状の骨子は終わりです。

犯罪被害者が泣き寝入りしないようにと願うばかりです。