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国際離婚!どうする?

まず、国籍が異なるもの同士の結婚を渉外婚といいます。

昨今の国際化によりこの国際結婚(渉外婚)の増加にともない、

国際離婚も増加傾向にあります。

最近ですと女優でタレントの武田久美子さんがアメリカ人男性と

離婚調停をしているところですね。

さて、国際離婚では日本国籍同士の離婚では問題とならないようなさまざまな

問題が生じます。

例えば外国人配偶者との間に子どもができたとき、その子どもの国籍はどうなるのか?

親権をとりたいから、配偶者の同意なしに子どもと一緒に日本国に帰国した場合に

子どもの引渡しに応じなければならないのか?

日本国では協議離婚が成立したけれども外国人配偶者の母国での離婚はどういう

手続きをすればいいのか?

といった疑問です。

まず、国際離婚のとき、どこの国の法律に従うかについての規定をみてみましょう。

日本においては、法例第16条によって、

1.離婚のときの夫婦の本国が同じ場合

2.夫婦の本国は異なるが、常時居住している地の法律(常居所地法)が同一の場合

3.夫婦の本国が異なり、夫婦で常時居住している地もない場合

のそれぞれについてどこの法律に従うかを定めています。

ただし、弊事務所の経験では、国際離婚する際にはすべて日本国の法律によって

離婚が成立しています。

これは、協議離婚であっても、調停離婚であっても、裁判離婚であっても同じです。

相手方が母国に帰国している場合であっても日本の民法規定に従って離婚が

成立しているのです。

例えば、中国人妻やフィリピン妻が夫婦げんかして実家のある母国に帰国して

離婚する場合には、離婚届をゆうちょのEMSで送り、署名して送り返して

もらいます。そして、相手方が署名した離婚届を日本の役所に提出すれば、

国際間の協議離婚は成立します。

なお、配偶者が外国人である場合でも、父母の名前の記入が必要となりますし、

署名も戸籍謄本に記載してあるカタカナの氏名を署名します。ただ、捺印は不要です。

いわゆるサインの署名では、役場で受理して貰えない場合もありますので

注意してください。

戸籍謄本に記載してあるカタカナの氏名ではない、単なるサインでも離婚届を

受理してもらったケースもありましたが、これはあくまで役所窓口の裁量であって、

確実に受理してもらえるわけではありません。

また、住所地は、国名だけでも大丈夫ですが、できるだけ現住所を離婚届に

記入することをお奨めします。

なお、外国人配偶者が離婚に合意しているからといって、離婚届に勝手に

署名するのは犯罪です。有印私文書偽造罪同行使が成立しますので、

くれぐれも勝手に署名して偽造しないようにしましょう。

そして、役場によっては、離婚届の届出の際に夫婦両方の出頭か、あるいは

外国人配偶者のパスポートのコピーの提示を求められることがありますので、

外国人配偶者と協議離婚する場合には、あらかじめ本籍地を管轄する役所に

問い合わせる必要があります。

さて、日本国での離婚は、日本国民法などの規定にのっとって成立したとしても、

外国人配偶者の母国での離婚が当然に成立するわけではありません。

日本国での離婚手続きとはまったく別個に、相手方の母国での離婚手続き

をすることになります。

そして、相手方の母国では、日本国での離婚裁判を経ての離婚判決や

離婚調停調書が必要であったりします。この場合、簡易にできるからと

いって協議離婚してしまうと離婚判決も調停調書も作成はされずに

永遠に相手方母国での離婚が成立しないままとなっていしまいます。

このような事態を避けるためにも、日本国で離婚する際に、相手方の

母国での離婚手続きをあらかじめ調査する必要があります。

ちなみに、中国は、中国人配偶者の出身地にある公証処で手続きを

すれば、裁判せずとも離婚が成立したケースもありました。大連や北京

では、この手続きで離婚が成立した経験があります。

ただし、常に離婚の届出だけで中国で離婚が成立すると言い切れるかと

いうと、必ずしもそうでもないようです。ご相談にこられた方で、中国の

人民法院で離婚裁判を提起するようにといわれた方もいらっしゃいます。

ですので、だいたいの場合、中国の公証処で離婚報告(?)をすれば

中国でも離婚が成立するけれども、地域によっては人民法院で離婚

裁判を起こさないといけない場合もある、といったところでしょうか。

他方、フィリピンでの離婚事情です。

かつては、在日フィリピン領事部に、日本国で離婚が成立したことを

報告すれば、フィリピン国でも離婚が成立し、NSOにもシングルとして

登録されていました。

しかし、今は、事情が異なりました。フィリピン人と離婚するには、

フィリピンで離婚裁判を提起しなくてはならなくなっています。

この離婚裁判は、大体2ヶ月半から3ヶ月で終わります。費用については

弊事務所にお問い合わせください。

フィリピンで離婚判決がでれば、離婚が成立します。

そのあと、NSOに判決文を提示するなどして、しばらくするとNSOでも

シングルの登録がなされます。

もっとも、相手国での離婚を絶対にしなければならないかというと、そうでは

ありません。

日本国で離婚が成立していても、母国では以前として夫婦として扱われる

ことをはそう婚といいますが、このはそう婚状態の外国人の方は、けっこう

いらっしゃいます。

この状態でも、はそう婚状態ではない国の方とであれば再婚は可能です。

たとえば、ロシア人女性と結婚していた日本人男性が、そのロシア人女性

と日本国で離婚しただけでロシアでの離婚手続きをしなくても、その日本人

男性は、日本国の戸籍上離婚が記載され独身ですので、日本人女性であったり

中国国籍の方女性と再婚することが可能です。

よくご相談にあるのが、日本国では独身になっているフィリピン人女性や

中国人女性と結婚したいが、いざよく話を聞いてみると母国に夫(と子ども)

がいて既婚者なので、結婚届に必要な独身要件具備証明書が母国から

発給されない、といったケースです。

この場合にはまず相手方の母国である中国やフィリピンで離婚手続きを

とらなくてはなりません。離婚手続きの詳細や、それにかかる費用など

については、弊事務所にお問い合わせください。真摯に回答させていただきます。