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夫が嫌いで離婚裁判!離婚判決はでる?

裁判離婚の場合、法定離婚を充たさなければ離婚判決はおりません。

そして法定離婚事由第5号は以下のとおり規定しています。

「その他、婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」

です。

この事由とは、法定離婚原因第1号から第4号までにはあたらないが、これらに匹敵する

ような婚姻生活を続けてゆくことが困難である事態を規定しているものです。

裁判所では、書類などの証拠調べや本人尋問、証人尋問などを行い、裁判官が

心証を形成し、すでに夫婦関係が破綻しており、婚姻の本質に応じた共同生活の回復が

見込みがないと判断したとき離婚判決をくだします。

この具体的事由については夫婦によって個々異なります。

具体的に以下みてみましょう。

1.暴行、虐待

暴力行為が繰り返される場合、婚姻生活は破綻しており回復の余地がないとして

離婚判決が下る可能性が高いです。

もっとも裁判では暴行、虐待の証拠が必要となります。

肉体的暴力、虐待の場合には、加害行為があった日から3日以内に病院にゆき、

傷害の診断書を作って貰います。同時に役所の男女共同参画担当やDV担当に

ゆき、経緯を話します。そして管轄する警察の生活安全課にゆき、暴力や虐待が

あったことを相談します。この場合、警察は被害届を作成するなどして暴力が

あったことを記録します。後日の裁判ではこれらの記録が証拠となってゆきます。

また、あまりに暴力が日常化して顕著な場合、裁判所に接近禁止命令の申立

をします。

この接近禁止命令は、暴力の証拠があればまず間違いなく下ります。

そしてこの接近禁止命令も、離婚裁判の際に暴力虐待があったという証拠に

なります。

問題は、肉体の暴力ではなく言葉の暴力です。

言葉の暴力としては、相手を罵倒する、小ばかにする、あるいは一切口をきかない

(この場合、家庭内別居ととらえることが多いです)、相手のいくことをすべて

否定するなどといったものです。この全否定は人格否定にもつながり、大変

つらいものだと考えます。

こうしたモラルハラスメントは昨今問題視されてきています。判例も、肉体の

暴力だけでなく、言葉の暴力も立派な(?)暴力であると認定する傾向がある

ようです。

ただ、モラルハラスメントは、医師による診断書も受け取りにくく、証拠も残りにくい

ものです。もちろん、配偶者の言葉の暴力が人格否定につながり、これによってうつ病など

精神疾患を発病した場合であれば、医師の診断書も入手できますし、また

役所や警察もそれなりの対応をしていただけます。最低限録音するなどして

相手の問題行動を客観的に証拠にすることをお奨めします。

2.生活態度・金銭問題

定職につかない、サラ金や闇金から多額の借金を繰り返す、競馬競艇パチンコなど

ギャンブルにおぼれ生活費を入れない場合にも離婚判決がくだります。

この場合、生活費を入れない証拠として、夫婦の会話を録音したり、家計簿をつける

などします。

3.性的問題

セックスレスや性の不一致により婚姻生活の継続が難しい場合

このような性の問題はとてもデリケートですので個別の判断になります。

ただ、夫婦のセックスとはいっても暴力や脅迫によって本人の意思を著しく制圧して性交渉を

行うのは強姦罪にも匹敵します。ですので、このような無理やりのセックスや妊娠を

望まないのに避妊措置をとらずに性交渉をする場合には、離婚判決が下る傾向が

あります。

4.性格の不一致

夫婦の間で生活観・価値観・人生観などの相違により、婚姻生活を円満に営む

ことが不可能の場合には、離婚判決がくだります。

とくに子どもの教育に関する意見の相違は双方の人生観が大きく影響しますので、

対立が激しく、婚姻生活を円満に営むことが不可能の場合にあたるケースが多いです。

もっとも夫婦ともに寛大な心で婚姻生活を円満にする努力が必要とされる場合には

裁判離婚が認められにくいですね。

単に夫が嫌い、とか、漠然と妻と性格が合わない、といった程度であれば、第5号に

該当する婚姻を継続しがたい重大な事由があるときとはいえないのではないでしょうか。

もちろん好き嫌いは、ときとして愛情の喪失を引き起こし、円満な夫婦・家族生活を

営むことが不可能になりえます。

この場合、改めて強く性格合わない、愛情を失ったなどという理由を合理的に冷静に

証拠化しておけば離婚判決が下るかもしれません。

5.宗教上の問題

相手の宗教活動にどうしても耐えられないなど、生活の崩壊を招いている場合、

離婚判決がくだります。

ただし、宗教や信仰それ自体がただちに離婚原因にはなりません。

ポイントとしては宗教活動などによって生活が崩壊しているかどうか、だと思います。

6.親族問題

私のところにも、夫または妻が嫌いになったわけではないが、その親族と折り合いが

合わず、離婚したいという相談がくることがあります。とくに親族が生活保護を受けているにもかかわらず

頻繁に生活費をせびってはパチンコやスロットに所持金を無計画につぎ込む悪癖をもった親族

の対応に困るといったケースが多いです。また、古典的ではありますが、嫁姑の確執で

夫が家庭に居場所がなくなり、しかたなく離婚したいというケースもあります。

こういった嫁姑問題や親族間の確執によって婚姻生活が破綻し、解決の見込みがない

場合、離婚判決がくだります。もちろん、親族間に問題があるだけではただちに婚姻生活

の継続が難しいとは判断されません。