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不倫された!不倫相手にも慰謝料請求したい!

配偶者が夫婦以外の異性と性交渉するなど不貞行為をした場合、
精神的慰謝料を請求できます。

そして、比較的多くご相談を受けるのが、性交渉をもった相手方
への慰謝料請求です。いわゆる浮気相手にたいしてお金を払って
もらいたいということです。

理想を言えば、浮気相手と話しあい、その上で金銭の支払いを受けたり
(銀行のATMまで同伴し、振り込んでもらうなど)、あるいは
支払いを約束する覚書を取り交わすのがいいのですが、現実はなかなか
そうもいきません。

不倫相手に慰謝料請求する場合、まず最初の壁が浮気相手の素性の
割り出しです。

ご相談で多いケースが、職場の同僚女性との浮気のメールを見つけたけど
名前と住所がわからないとか、飲み屋のホステスと浮気しているみたい
だけど、やはり名前と住所がわからないといったもので、ある程度まで
は相手の素性などを割り出してはいるけれども、法的措置を取れる程度
までは絞りきれていないというものです。

この場合、強引なやり方としては職場に内容証明を送るとか、飲み屋に
乗り込むといった方法もあるにはありますが、うまくことが運べばよい
のですが、失敗すると相当な逆効果になります。特に職場に乗り込んで
いったり内容証明を送るのは、配偶者の雇用が危うくなったり人事
評価でマイナスがついて後日の紛争のもとにもなりかねません。

ですので、乗り込む手段は、最適な手段としてお奨めはしていないのが
私のスタンスです。

そこでもし金銭的な余裕と確たる証拠(ご自身で探知保存した浮気のメールや
性交渉の写真(けっこうでてくることがあります)や浮気のスケジュール
(これも丹念に注意深く配偶者を観察すると分かるケースが多いです)が
あれば、探偵に依頼し、ラブホテルや浮気相手の自宅に出入りするところを
写真に収めて貰うことをお奨めします。

そして、有能な探偵であれば浮気相手の住所や氏名などはわりとすぐ探し出します。

ここまできて、初めて浮気相手に対してアクションをとります。

もし裁判まで視野にいれるのであれば、まずは内容証明をだすことをお奨めしています。
内容証明を進める理由としましては、まず浮気相手に対して相当なインパクトを
与えるという点と、慰謝料請求という債権の消滅時効中断という法的効果が
ある点です。不貞行為による慰謝料請求できる権利は3年で時効消滅する点、ご注意ください。

他方、早急に決着をつけたいなどといった場合(離婚を視野に入れているときなど)
は、当事者を待ち伏せするなどして直接会い、その場で話し合いの場を持つことも
あります。そしてこの話し合いの場での会話を録音することをお奨めしています。
後日浮気の有無について言った言わないの水掛け論を防止するとともに恐喝罪を
かぶせられないようにするための未然防止のためです。もちろん刑法に抵触する
恐喝行為は絶対にしてはいけません。また、この話し合いの場ですぐに覚書
を作成できるよう、文房具(シャープペンシルなど後日修正できる筆記用具は
避けましょう。万年筆やボールペンとレポート用紙です)をご準備しておいて
ください。

さらに、冷静に協議したい場合には簡易裁判所もしくは家庭裁判所に対して調停
を申し立てる方法もあります。この場合でも相手方の氏名と住所を把握していなければ
なりません。

調停が不調で終わった場合には裁判となります。

さて、不倫相手に慰謝料請求するためには、もうひとつの壁があります。

それは、不倫相手が、性交渉を持った相手が既婚者であることを知っていたという要件
です。

もし不倫相手が既婚者であることを知らなかった場合には、単なる男女交際に
伴う性交渉と評価され、法律上の貞操義務違反の共同不法行為は成立せず、
慰謝料請求はできません。

そして、既婚者であることを知っていたという事実の立証責任は、慰謝料を請求
する者が負担します。

この壁は、突破できるときはあっさりと突破できるのですが、難しい場合には
かなりハードルの高い壁になります。

例えば、不倫相手とのメールのやり取りの中に、「こんなことして奥さんにばれないの?」
とか、「奥さんと離婚して」、などといった文章があれば絶対にデジカメで写真に収めて
保管するべきです。

また、職場の同僚女性などと不貞行為をした場合には、配偶者である夫が結婚している
事実が職場での周知の事実であるといったことをもって立証してゆきます。

さらに、時として配偶者の口から、浮気相手は自分が既婚者だと知っていたとしゃべる
ケースもあります。この場合も証拠となりえますので、聞き流さず、録音するか、あるいは
配偶者自身によってその旨を既述したメモを残します。

こうして証拠を固め協議していけば、慰謝料が認められてゆきます。

気になるのはその慰謝料の額です。

実務では、不倫相手の経済状況なども考えて、その不倫行為によってこうむった精神的
苦痛(離婚したとか、うつ病などの精神疾患を患ったなど)の度合いによって慰謝料額
が決まります。

ただし、不貞行為をした配偶者が負担する慰謝料額よりも低くなる傾向があります。

実態としては、

100~200万円

といったところです。

私が経験した範囲ですと、浮気した夫とともに合計で400万円の分割払いというのが
ありました。この分割払いは、将来支払いが滞る可能性もあるということで、強制執行
認諾文付きの公正証書を作成しました。

ただし、このケースは離婚に伴う慰謝料でしたし、夫とともに支払うという条件でした
ので、不倫相手自身がどこまで慰謝料を負担したかは未知のままです。

不倫相手に対して慰謝料を請求する場合には、実態どおり100~200万円の
分割払いが多いです。