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昨日芸能ニュースをにぎわせた、松居一代さんと船越英一郎さんの電撃調停成立は、なかなかインパクトがあったようです。

周囲の方々は、松居一代さんと船越英一郎さんの離婚案件は裁判離婚にまで発展するのではないかと思われていただけに、当事者も含め調停離婚の成立は驚きであったでしょう。

調停と裁判による離婚の大きな違いは、

調停は当事者の合意(調停は裁判ではないので、調停を家庭裁判所に申し込んだ方を申立人、その相手方のことを被申立人といいます)ができたときのみ調停調書が作成されます。
申立人と被申立人の合意ができなかった場合には調停不調とのみ記載のある書類が作成されます。この書類は家庭裁判所の書記官が作成し、家庭裁判所に保管されます。

裁判は、当事者(原告と被告)の合意がなくても判決が言い渡されます。判決文は裁判官が作成します。原告(または被告)にとって不利益な内容の判決が言い渡される合理的根拠としては証拠調べによる事実認定があります。例えば、暴力を理由として離婚を求めた原告の主張が証拠(医師による診断書、警察署への相談の事実、暴力をふるっている現場を目撃した証人による法廷での証言など)によって暴力があった事実が裁判所によって認定されれば、その事実を根拠にして離婚請求を認容する判決が言い渡されるわけです。この判決に納得がいかない(俺は妻を殴ったことないのに判決理由に暴力があったと書かれているのは納得いかない!など)であれば、控訴上告という制度を利用してさらに裁判所で争っていく手続きが保障されています。

一方、調停は、当事者の合意形成が目的なので、証拠調べは原則行いません。例えば浮気が原因で離婚したいからという理由で調停を申し立てたとき浮気の証拠として配偶者?がラブホテルに入っている写真を家庭裁判所に提出すること自体は可能ですが、だからといって調停を担当する調停員さんがこの証拠写真があるからという理由で浮気の事実を認定することはありません。調停員は、「浮気の証拠として写真が提出されているけど、浮気の事実を認めますか?」という意思の確認をします。

なお、調停が合意の形成ができなかった場合、調停不調として調停は終了し、そのあとは審判かまたは裁判で争うことになります。

調停で合意が形成され、調停によって離婚が成立した場合には、書記官が作成した調停調書を夫婦の本籍のある役所に持参し、窓口で調停離婚が成立したことを告げますと、役場の担当者が調停離婚と記載のある戸籍謄本を作成します。実際に調停離婚と記載がある戸籍謄本が印刷され手に入る時期は役所の業務量にもよりますが、申立から大体7日から10日でお渡しできるようです。

さて、今回の松居一代さんと船越英一郎さんの調停では慰謝料や財産分与は取り決めなかったようですが、一般的にはこれらの取り決めも合意形成されることもあります。たとえば養育費の今後10年にわたる支払い、夫婦であった時期に購入したマンションの所有権の移転などです。

当然ながらこれら当事者の合意も調停調書に記載されます。

問題は、相手方が調停で約束したことを守らなかった場合です。どのような制度で約束を守るようになるのでしょうか。。

たとえば養育費の支払いが滞っている(統計では、約束通りの養育費を受け取れているのは全体の20%とわれています)場合、裁判離婚であれば判決文、公証役場で作成した公正証書があればその正本をもとに強制執行(給与支払い口座の差押など)が可能ですが、調停の場合はどうでしょうか。

調停によって合意が形成され調停調書が作成された場合、この調書によって強制執行の手続きを進めることができます。

つまり、
・裁判での判決の言い渡し
・公証役場で公証人によって作成される公正証書

とならんで、

調停調書も強制力が与えられているのですね。

なかなか地味な調停制度ですが、今回の松居一代さんと船越英一郎さんの一連の騒動の幕引きとして注目を受けて、より理解が進むようにと思います。

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