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国際結婚してやっと妻のビザが取れ、一緒に生活し始めたとたん、妻が大声をあげて喧嘩したかと思ったら、家出してしまった。噂では遠い地方で友人の家に身を寄せてはたいているらしいがそれ以上の情報はない。離婚はしかたないとしても、離婚したうえで早急に在留資格を取り消し、そのうえで日本から永久追放したい。

そういった気持ちになった方はたくさんいらっしゃいます。

日本に上陸するまではとても甘い言葉で結婚を促し、日本配偶者等の在留資格の認定が許可され日本に入国してから1週間ほどは一緒に暮らすが、そのあと、突然母国の言葉でののしり、家出する。つまり、ビザほしさの偽造結婚であったわけです。

家出され、友人(というかブローカー)の手引きで中国パブ、フィリピンパブなどで働いていると噂を聞いて、初めて偽造結婚の片棒を担がされたと気づく。悔しいですよね。

そして、偽造結婚にはめられたと気づいた時点では、すでに所在不明なわけですから、歯がゆい思いで頭と感情がいっぱいになるのも自然なことだと思います。

そこで、このような事態に対処していくうえで、弊事務所がご案内した対処方法を記述します。

この時点でできることとして、以下のことがあります。

1. 入国管理局に経緯を報告し、在留資格の取り消しか、または更新の不許可処分を求める。
入国管理局に対する偽造結婚の通報は、口頭でも大丈夫ではありますが、将来のことを考えて文書にまとめて書類を入管の窓口で渡すことを強く推奨します。

文書には、
・当事者の氏名、住所、生年月日
・妻の在留カード番号や有効期限など
・妻のパスポート番号
・結婚した経緯(いつ、どこで、どうやって知り合って、交際したか、などを簡潔に書きます)
・結婚し、妻が上陸した後の経緯(年月日を項目にたてて時系列にまとめるとよいです)
・家出した状況(なにがあって家出したのか、など)
・収集した情報に基づく妻の現在の状況(どこにすんでいるか、なにをしているかなど)

などを記述します。
結婚の事実を記載している戸籍謄本の添付も忘れずに。

もし離婚届に相手方外国人の配偶者がすでに署名しているのであれば、離婚届を本籍地の役場に届け出ます。離婚ができないのであれば、離婚届不受理を申し立てます。

仮に離婚が有効に成立すれば、当事者は入国管理局に離婚の事実を報告する事実があります。そしてこの離婚が成立した日を起算点にして6か月間、配偶者としての活動がなければ(要するに再婚しなければ)、日本人配偶者の配偶者ビザは入国管理局の職権により取り消しが可能となります。

ただし、離婚後、結婚という活動がなければ、配偶者VISAは取り消し処分の対象となるとはいえ、いったん許可処分を下したものを取り消すのはなかなか大変であるようです。やはり入国管理局としても、取り消し処分を不服とした行政裁判で敗訴するおそれがある場合には、慎重な態度にならざるをえないのではないでしょうか。

入国管理局に対して情報提供をするのとは別に、ご自身の住所を管轄する市区町村役所に対して、

世帯分離の申し立て

をします。これは、別居している事実を住民票に反映する申し立てです。

この世帯分離の申し立てをすることによって望まれる効果として、在留資格の更新申請の際に添付する住民票に、当該夫婦は別居していますよという事実を入管が知ることになる点があります。

結婚ビザは、夫婦が特段の事情がある場合を除いて同居していなければ更新できませんから、この世帯分離の申し立てにより、行方不明になった妻はビザの更新ができなくなるわけです。この効果は絶大ですよね。

そして、結婚の在留資格の更新ができなくなった外国人妻は、ほかの在留資格に変更しようとするかもしれませんが、この変更申請の審査において、あらかじめ入管に通報している書類によって不適切な在留が認められる外国人だとの判断する可能性が高いので、結果として在留資格の変更もできなくなるわけです。

以上がご案内です。

ご自身で動いてもまったく問題はないですが、もし、お時間がないとか、上手に文書をまとめて取り消し処分が下る可能性を高めたいが文章を書く自身がなくうまくできそうにないといった場合であれば、弊事務所が書類作成などをお手伝いいたします。お気軽にご相談ください。