*

問)
私はインド人で投資家です。このたび日本で出資ファンドを設立しようと考えています。ファンドのために会社を設立し資金を注入したいのですが、いまひとつ現地の日本で信頼できるビジネスパートナーをさがせないため、日本に必要に応じて駐在して資金を運用・監視したいと考えています。そこで経営・管理の在留資格を取得するべきとのアドバイスをいただきましたが、知人によると、この経営・管理の在留資格(ビザ)は、許可処分が下りた日から年間で180日日本に滞在しないと更新申請が認められないといっています。この知人のいっていることはただしいのでしょうか。投資先は日本だけでなく多岐にわたるので、1年間に180日(6か月)も運用・監視のために滞在はできないのです。

答)
ある意味でその知人のおっしゃっていることは正解ですが、、形式的に180日の滞在の有無だけで経営・管理の在留資格の更新の許可・不許可が判断されるわけではありません。もし知人さまがおっしゃているのが、180日日本に滞在しさえすれば、経営・管理の在留資格の更新は心配せずとも確実に許可されるというほどの意味であれば、形式的に判断されるという点において誤りです。

そもそも在留資格は日本に適法に在留するための資格ですので、許可処分が下りたあと、期限までの相当期間に日本に滞在した実績がなければ、そもそもその申請者にとってそのビザは必要ないのではないかという推論が働きます。

したがって、あまりに日本での滞在実績がない方の更新申請は不許可処分になる可能性がたかくなるのはご理解いただけるかと思います。滞在実績がなければ短期滞在ビザで十分ではないかとの判断になるわけです。

そしてこの滞在実績が十分あるといえるかどうかの判断については、形式的に通算180日滞在したかどうかということだけではなく、他の事情も加味して実質的総合的に在留資格が必要となるかどうかの審査によって下されます。もちろん入国管理局がこの判断を下すにあたって、滞在日数という過去の実績はとても重要な司法となるのは当然です。また、更新の際に提出を要求される事業計画なども重要な要素となります。その意味で、形式的ではありますが、1年間で180日滞在したかどうかは、考慮してもよい材料ではないでしょうか。

ご相談者は日本にのみ滞在できるほどの時間的余裕がないとのことですが、やはり信用できる現地スタッフ(日本人)を見つけ出して、その方からの報告などに基づき適切なファンドの運用・監視をすることをお勧めします。もちろん、ことさら経営・管理の在留資格にこだわらくても、必要に応じて短期滞在ビザの発給があれば日本での監視も可能となりますから、心配なさらないでもよろしいかと思います。