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先日、東京入国管理局に申請していた日本人等配偶者の在留資格に対して許可処分がおりました。

申請した方はたいへんな喜びようでした。申請に尽力した私としてもお客様の感謝の言葉がうれしく、
また、すなおにお喜びなさっているご様子に、仕事の充実感を感じました。

さて、弊事務所は、あまり配偶者の在留資格(いわゆる結婚ビザ)は取り扱っておりません。

もちろん、ご依頼があれば取り組みますが、ことさら広告などをうって積極的に主要業務には据えていないのです。;
他方で離婚案件には弊事務所開設以来取り組んでおり、対照的ではあります。

これは、結婚ビザには偽造結婚をことさらかくして配偶者のビザを得ようとする方々が少なからずいらっしゃることに
起因しています。だれでも犯罪の片棒を担ぐのはいやなものです。

このような考えがあって結婚VISAは、依頼があれば取り組むといった程度ではありますが、
今回の申請でいろいろと学んだこと、つまり、結婚ビザの許可がおりやすい条件などを書いていきたいと思います。

1.新郎新婦の年齢差が問題になるか?
フィリピンの女性と結婚する日本人男性のケースなどでは、夫が高年齢で妻が若年層といった年の差カップルが
散見されます。

今回私が扱った申請も、夫が50代、妻が20歳になったばかりの年齢差がありました。
もちろん誠実な愛で真摯に婚姻する意思があれば年齢などまったく問題はないのですが、やはり極端な年齢差が夫婦
の間であると、偽造結婚ではないかと入国管理局に疑われることもあるようです。

ですので年齢差があるご夫婦の場合、たとえ真摯な交際を経た結婚であっても偽造結婚ではないかと疑われる心配ももっともな
ところがあります。

しかし、たとえ年齢差があっても、

・知り合った経緯
・交際の具体的な実績
・現地での面会と親族との交流
・インターネットのメールなどによる継続的な交際

があれば、年の差はあまり問題とならないようです。

もちろん、偽造結婚を疑われるような出会いや交際などが判明すれば、たとえ年齢がどうであれ、厳しく審査されます。

これは当然です。

2.夫に離婚歴がある場合でも配偶者の在留資格は許可されるか?
これも気にされる理由もわかります。
とくに離婚した元配偶者が外国人であれば、自分の戸籍を汚す偽造結婚の名義貸し(?)だとも思われるとの心配も
でてきます。

しかし、これも、離婚で終わった前婚が偽造結婚だと疑われた事実がなければ特に気にすることもないようです。
特に前婚の配偶者が日本国籍の場合は、その離婚履歴が入国管理局の審査に影響を及ぼすことはほとんどないとも言えます。

もちろん、前婚が偽造結婚だと認定され犯罪が成立し有罪判決を受けたなどの場合は、影響があるようです。

3.真摯な交際とはなにか?
真摯な交際であれば、在留資格が許可される可能性が高いのは当然ですが、問題は、どのような資料(証拠)をもって
真摯な交際であるかを入管に説得するか、です。

この判断ポイントはいろいろなうわさなどが飛び交っているようですが、基本的には、真摯な交際であれば当然するべきこと
を証拠として提出すればよいのではないでしょうか。

具体的には、
・一般的な出会いであること(共通の知人や親族、実績のあるしっかりとした結婚紹介所での紹介)。
もちろん、パブなどの出会いだってその事実をもって不許可になるというわけではありません。
パブなどの風俗店で出会った事実を隠そうとしてうその出会いを記入するのは愚策です。
入国管理局は、虚偽申請を見抜き摘発する(不許可処分にする)機関であって、うそを見抜くスキルと経験は
膨大ですので、うそはすぐにばれるとかんがえていいかと思います。というか間違いなく露見します。
ですので、素直に真実をのみ記入していただきたく思います。

・結婚にいたる妥当な交際を経ていること。
数回のメールのやりとり(しかも代筆)だけでは結婚してもおかしくはない成熟した交際とはいえないのではないでしょうか。
ここはやはり、反復継続した相当期間の交流が必要です。もちろん相手の言語をマスターしなければならないというわけではありません。
通訳を介しても大丈夫です。大切なのは、相当期間継続して交流してきた事実、です。
相当期間は、数か月であれば十分なようです。証拠としては、メールのやり取り(facebook messenger や メールなどの履歴をプリントアウトしたもの)
や通話記録(携帯電話会社に履歴を取り寄せれば大丈夫です)が客観的な証拠資料になります。

・相手と直接会うこと。
相手と会った際の写真は許可申請を得るうえで強力な説得材料となります。そのうえで、相手の親族に会った集合写真があれば100点満点です。