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問)このたびロシア人女性と結婚しました。現在入国管理局に日本人等配偶者の在留資格を申請し処分の通知を待っている状態です。結婚に伴い妻となった女性の氏が変わりました。新しい苗字で新しくパスポートを作成しましたが、入国管理局にはこの新しい氏を報告しなくてはならないのでしょうか。

答)結婚にともない氏に変更があった場合の報告は義務ではありませんが、報告したほうがよいというのが正確な回答となります。

在留資格認定申請をなさったご経験があればお分かりかと思いますが、申請書類には、申請人(外国に居住し、ビザの発給を申請した外国人)の氏名とパスポート番号、パスポートの有効期限を記入しなくてはなりません。入国管理局はこの申請書に記載されたパスポートの情報をもとにビザのスタンプを押印します。

したがって、結婚や離婚、養子縁組などによって在留資格認定申請後許可が下り査証の交付を受ける前に新しい苗字でパスポートを新規に作成した場合には、この同一性のチェックができないとも思われますが、そのようなことはありません。たとえ改称した氏のパスポート現地日本領事館に持参しても、認定許可があれば有効に査証のスタンプをパスポートに押印していただけます。

ですので、新しい氏に基づきパスポートを作成したからといって、氏の変更を入国管理局に報告する義務があるということにはなりません。

しかし、新しい苗字に変わった事実を入国管理局に報告することにまったく意味がないかというとそうでもないようです。

特にこれは配偶者ビザの申請の場合に強く言えると思いますが、真摯な結婚に伴う査証申請をする夫婦であれば、氏の変更を届け出るのが自然な流れであるという考えが背景にあります。なので、新しい氏が記載されているパスポートの発給を受けたら、その事実を入国管理局に報告すれば、その報告するという行為は、入国管理局には真摯な交際による結婚なのだろうな、裏をかえせば、偽造結婚ではなさそうだなという印象を入庫国管理局は抱くことになります。

もちろん、配偶者ビザを許可するかどうかはあまたある複数の要素を総合的に考慮して判断がなされますので、氏の変更を正直に報告すれば許可が当然にでるというわけでもありませんが、許可するという判断に傾かせる一つの要素であることは間違いなさそうです。

東京入国管理局にて確認済。