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問)いま、浮気相手の子を宿しています。夫とはセックスレスなので、この子の父親は間違いなく浮気相手の子であることは確かです。夫とは離婚する決意をしていますが、できれば夫にわからないよう、産まれた子を夫の戸籍に記載せず不倫相手の男の戸籍に記載したいのですが、方法はありますか。

答)方法はあります。
まず戸籍法は分娩してから一定期間内に出生届を役所に届け出るよう義務付けていますので、原則として生まれたら役所に届け出なくてはならないのが原則です。

しかし、なんら対処することなく漠然と出生届を届け出てしましますと、父親推定の原則から、当然に夫の戸籍(つまり妻も記載されている家族の戸籍)に記載されてしまいます。
ですので、この記載を避けるべく、何らかの対処をとる必要があります。

この点、結婚後離婚前に分娩した場合は当然に、離婚後も嫡出子の推定の及ぶ一定の期間内に分娩した場合には、あえて出生届を届けでず、親子関係不存在の訴えと申し立てます。

この親子関係不存在の訴えを受理した家庭裁判所で父親推定の原則が破られ、法律上の父親にあたる男性(すなわち夫)が産まれた子の血統上の父親ではないかどうかを審判します。具体的には、子、夫、血統上の父親(すなわち浮気相手の男性)のDNA鑑定を行います。

この際にかかる期間は、約3か月から4か月ほど。費用は、家庭裁判所に申し立てる際に約2,000円前後(家庭裁判所によって納付する切手代などがことなりますので一律ではありあません)、DNA鑑定費用に約10万円から20万円前後です。

この審判を担当した家庭裁判所裁判官によって父親推定が破れていると判断されると、その旨の審判調書が書記官によって作成されます。

この審判調書を添付して出生届を届け出れば、この出生届が受理した時点で浮気相手の男性の戸籍に子として記載されます。

この審判を申し立てずに端的に血統上の男性が認知すればよいのではないかとの疑問もあるかとも思いますが、父親推定の及ばない時点での分娩なら審判を申し立てなとも認知によって法律上の父親と子の親子関係が戸籍謄本によって証明されますが、父親推定が及ぶ期間で分娩した場合にはこの推定によって認知はできません。仮に推定の及ぶ子に認知がされれば、二重の父親が存在することになるのは容易に想像つくかと思います。

ついで疑問に思われる点が、分娩後、親子関係不存在の訴えを経由して血統上の父親を法律上の父親とする審判が下るまで、出生届がだされていない以上、行政上のサービスなどがうけられないのではないかという疑問です。

確かに出生届が届け出されていない以上、国や都道府県、市区町村などご行政は子に対してなんらサービスを提供できないのが原則です。そして分娩を前提した母親に対する行政サービスも同様に提供できません。例えば、予防接種や子ども手当の支給などがあたるでしょう。

しかしながら、昨今の家族関係など多様化を踏まえ、このような事態にも積極的に対処すべく事実上サービスを提供しているのが現実です。そもそもこのようなサービスの提供がなく、夫との間の子としてのみ出生届が受理されないというのでは、例えば夫からのDVから避難し別居中に離婚を申し出ても夫が応じず、そのまま時間が流れ、その時に知り合った男性と性交渉をもって子を身ごもったといった事例で、出生届が届け出ていないからといった理由で行政サービスの提供をせずともよいというのでは社会的公平や正義にかけますし、かといって出生届を届け出るよう義務づければ、夫に居場所や性行動を探知されるのを避けたいがために、これを届け出ない母親によっていわゆる無戸籍児が頻出してしまいます。

このような事態を回避すべく、しゃくし定規の解釈ではない事実上のサポートに取り組んでいるのが行政の実態のようです。

確かに戸籍法は、分娩後一定期間内の出生届の届け出を義務付けています。この義務に違反した場合、罰則も規定されているのも現実です。

しかし、実際には罰則規定が適用された例は私も聞いたこともありませんし、事実上の行政サービスサポートを平等に享受できるよう配慮しています。

ですので、無戸籍児にすることなく、役所や行政書士、弁護士などに相談することをお勧めします。もちろん、保健所でも児童相談所でも大丈夫(なはず)です。

以上東京都練馬区役所にて調査済。