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誰かがわたしの戸籍や住民票を見たかもしれない?不安だけど確認する方法はあるの?

 

戸籍謄本や住民票はプライバシーの塊です。このような個人情報の塊を、誰か他の人が勝手に取得してるかもしれないというのは不安ですよね。 最近はストーカーや、そのストーカーにそそのかされだまされて住民票や戸籍を取得する探偵さんや弁護士、行政書士の先生もちらほら聞きます。 そこで、だれか他人がご自身の戸籍謄本や住民票を勝手に取得したかどうかを確認する方法があるのでしょうか。

 

 

保有個人情報開示制度という方法

この方法は、あります。

 

保有個人情報開示制度、 といわれている情報開示制度です。

 

この開示制度は、都道府県や市区町村などの自治体が条例で定めているものです。

従いまして、各地方自治体が定めた条例によって具体的な制度の内容に違いがありますが、個人情報保護法の施行を受けて100%の都道府県や市区町村が制定しています。

 

この制度の概要

まず、この制度の概要です。

 

請求可能な期間

申請人本人の戸籍謄本や住民票、附票などを交付した事実の有無を開示するよう、都道府県や市区町村に請求します。 この際に、何年前にさかのぼっての情報開示なのかも伝えます。理論上は過去何年でもさかのぼって調査できますが、役所が定める文書の保管期間内でしか調べることはできませんのでこの点留意が必要です。 例えば、個人の住民票であれば過去5年分しか保管していなければ情報開示請求も最大過去5年しかさかのぼることはできません。

 

請求権者

この請求は、原則本人によります。未成年の子の住民票などに関する開示請求する場合の親といった法定代理人による開示請求などの場合を除き、代理人による申請は認められません。

なお、一般人の代理人に限らず、弁護士や行政書士など有資格者が申請人から委任状を受け取った場合でも認められません。

 

申請手続

申請人本人が、身分を証明する顔写真つきの証明書と印鑑(実印でなくとも大丈夫です)を持参して窓口に出向き手続きを申請します。 申請用紙は各都道府県や市区町村の役所にあります。その請求書に必要事項を記入し、情報開示を担当する部署に申請します。

 

手数料

この際の手数料は無料です。

 

開示請求してから開示に関する決定が下るまでの期間

請求してから開示決定が下されるまでは、14日という法定期間を定めている自治体が多いようですが、実際に決定が下されるまでにかかる期間は14日を下回る場合がほとんどです。

 

開示決定

請求に対して決定が下されたら、申請者の住所に決定通知書が届きます。 あらかじめ指定した期間内に戸籍や住民票の交付した事実がなければ、不開示という文言がこの決定通知書に記載されます。

 

交付事実の開示

交付事実があれば、その交付にあたって申請者が記入した交付申請書の写しが開示されます。

 

ただ、開示されるといっても、申請者のプライバシー保護の観点から、申請人の氏名と住所は墨消しされるとの方針を採用する自治体が多いようです。 これでは、誰かが勝手に自分の戸籍謄本や戸籍抄本、住民票を取得したことしかわからず、いわゆる個人情報を盗み見た人が誰であるかはわからない状態であって不安に感じるところかもしれません。

 

しかし、そもそも戸籍謄本や戸籍謄本、住民票の交付を本人の許可なく取得することはまず不可能です。本人が記入した委任状がなければ取得はできません。 そして、この委任状が勝手に作成されたのであれば、公文書偽造罪同行使であってまぎれもない犯罪です。この場合は、偽造された委任状によって自分の戸籍謄本などが勝手に交付された旨を所轄の警察署に相談することになります。

 

また、私のような行政書士も含め、弁護士など有資格者は、職務上請求書という書類を作成することで本人の許可なく戸籍謄本や住民票を取得することが出来るのではありますが、この職務上請求書によって戸籍謄本などが交付された場合ではれば、開示決定によって交付申請した当該有資格者の氏名と住所が明示されます。

 

これは、このような有資格者であれば、交付申請した事実を墨消しなどによって分からなくなるようにするプライバシーの保護の必要性がないという判断によります。

 

弁護士、司法書士、行政書士などによる職務上請求の取り扱い

他方、職務上請求書の取り扱いは、昨今の個人情報保護の必要性やストーカーなどによる住所の割り出し被害を防止する観点からきわめて厳重に扱うよう常日頃から指導を受けています。 この指導によるガイドラインを逸脱する職務上請求の使用は懲戒対象になります。 また、悪質な場合には警察への告発などにより捜査が開始され、犯罪が成立します。

 

なお、一般論ですが、このような厳しい扱いを求められる現状に照らし、職務上請求は事実上不可能な状態となっているというのが私の印象です。実際に職務上請求を使う状況としては、相続事案における被相続人(すなわち亡くなった方)の戸籍請求くらいではないでしょうか。