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法律相談無料東京都町田市行政書士うすい法務事務所~相続・相続分の集中のための相続放棄

法律相談)夫が死亡しました。夫には住宅という積極的財産がありますが、住宅ローンとう消極的財産もあります。息子がすべて一括して相続したいといっていますが、どのような方法がありますか。

答)妻という法定相続人が家庭裁判所で相続放棄の手続きをします。すると自動的に息子が唯一の相続人となり、積極的財産と消極的財産のすべてを一括して相続財産を承継します。

1.相続分集中の方法

相続財産をすべて1人の相続人に集中する方法として、その者以外の共同相続人全員が、相続の開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に対して相続放棄の申述手続をとるという方法があります(民法915条1項、938条)。

また、家庭裁判所への相続放棄の申述という方法をとらなくても、不動産の場合であれば、所有権移転登記により1人の相続人の名義にするという方法によっても事実上、相続放棄の手続きと同じ効果がある場合もあります。

具体的には、

・遺産分割協議書において当該相続人以外の共同相続人の相続分をゼロにする方法

・特別受益者であるとして、相続分不存在証明書などの書面を作成し具体的相続分がないとする方法

・他の共同相続人が当該相続人に対し、自己の相続分を譲渡したことにする方法


2.相続分に債務(ローンなどの借金)がある場合

被相続人が死亡すると相続が開始されます(民法882条)。各相続人は、相続分に応じて、被相続人の財産に関する一切の権利義務を承継します(民法896条、898条、899条)。

従いまして、相続人は、積極財産だけでなく債務などの消極財産をも承継します。

そして、金銭債務という可分債務(分割できる債務)については、当然に法定相続分に応じた金額をそれぞれ承継することになります。

なお、遺産分割協議後に、想定していなかった多額の債務(借金)が判明した場合に遺産分割協議が無効(民法95条)となる余地があるとする判例もあります。

このような債務をも相続集中したい場合には、不動産財産と異なり、他の相続人全員が相続放棄の申述手続を家庭裁判所で行うことが必要となります。